「感情が消えちゃったみたいだなぁ…」 彼女はぽつりと呟いた。 誰にも言わなかった彼女の本当の過去。 僕は彼女を救うことができるのか。

彼女はずっと笑顔だった。


何をされても笑っていた。


辛いことがあっても悪口を言われても。


僕は彼女に聞いた。


「どうしていつも笑ってるの?」って。


彼女はまた笑って。


「わかんない」って。


でも僕は見逃さなかった。


その時の彼女の顔が一瞬だけ曇ったのを。


僕は聞いた。


「泣いたこととかってないの?」


彼女は。


「うーん、遠い昔かな?」


また笑って。


「感情が消えちゃったみたいだなぁ…」


ぽつりと呟いた。