例えば
あなたはどう産まれ、どう育ち、
誰に出会い、誰に愛され、
誰と笑い、誰と手を取り、どう生きてきたか
どんな風に笑い、どんな風に泣いて、何が好きで、
何が嫌いで、どんな人だったか
あなたを知り、あなたの未来を想像し、
それが奪われたことを知る
自分が息をしたとき、歩いているとき、
食事をしたとき、眠る前
あなたがもう同じことができないことを知る
その日常が奪われたことを知る
それがどれほどの罪であるか
後悔は尽きず、反省は終わらない
あなたがしていただろうこと
あなたがこの先できただろうこと
それを自分がするたびに罪悪感が募り、後悔する
償うことなどできない。ただ懺悔するのみ
生きていてもいい、死ぬ必要もない、笑ったっていい、息をしてもいい、美味しいものを食べたっていい…………
でも、一生許されず、
自分が何かするたびに同時にそれを懺悔する
そんな人生が、
どこの誰とも知らないあなたに待ち受けていないことを。