長い間「お人形」として生きてきた少女が、世界へ踏み出した。そこで彼女が知ったのは3種類の『アイ』の形。心を捨てきれなかったお人形は、誰を信じ何を求めるのか。

『アイシテル』ってどういうこと?」



「……」



「……」



「…『アイ』には3種類あると俺は思ってる」



「…3種類?」









独愛アイ親愛アイ欲愛アイだ」









「……難しい」



「…君の元ご主人様が君に向けていたのは『独愛』」



「……」



「ここのお客様たちからのが『親愛』かな」



「…じゃあ、『欲愛』は?」



「それは…そのうち経験する」



「…マスターがくれる中に、『欲愛』はないの?」



「っ……それは、あってはならない」



「…なんで?」



「俺は君の『保護者』だから」



「『保護者』…」



「ああ、そうだ」







(だが俺は君に一番



『愛』



を注いでいるつもりだ)