料理人志望転生者、召喚されて王子専属料理人になる

作者露宮小霧

「美味しいは正義」「限度はあると思う」と、友達とそんな不毛な会話をしていると目の前が急に光り気が付くと異世界転移していた。アルファポリス様にて先行公開中。

「だからさ、料理は人を全裸にすると思うんだ」

「ごめんちょっと何言ってるか分かんない」

「分かれよ!!」


 ドン! と机を叩き、友人を叱咤する私・天宮恵理守(あまみやえりす)。キラキラネームじゃないぞっ☆


「何? 食劇の●ーマの影響?」

「そうだよよく解ったね!」

「いや今もジャ●プ読んでるし」


 私はジャ●プ片手にコーラとポテチでアフタヌーンコーラと洒落込んでいた。

 オサレな私。(環境がオサレだから私もオサレなのだ)


「はぁ……。アンタと話してると毎日面白いわホント」

「お得だよ、私と一緒に過ごすの」

「彼氏ほすぃ……彼氏ィ……かもぉん……」


 しまった友人の悪い癖が出てしまった。

 今もどこかの空を見上げながら『彼氏ィ……フフッヒ……フォカヌポウ……』とか言ってるし。怖いよ。


「と、とにかく! 料理って正義だよね!」


 何とか話を逸らそうとそんな話を持ち掛ける。


「限度はあると思う」

「だから分かって‼」


 私は再び机を叩く。

 友人の紅茶(ストレート)とスコーン(オサレな皿に載ってる)が揺れる。


「代弁……彼氏ィ……」


 アカン、また空想彼氏モードに入ってしまった。

 またに手を筒状にして上下に動かしながら『ピュッピュして! ほら!!』とか言い出すから早めに止めないと……。

 と、私がガムシロップを手に持ったその時だった。


「えっ」


 突如光に包まれ、そして。


「よく来たな異世界人」


 何で移転するときの描写が雑なんだよ、人生の一大イベントだぞ……。