僕らが見た明日

作者愁來 唯夏

ただ、幸せを手に入れたかった。どこか満たされない幸福を味わいたかった・・・。全てが崩壊したあの瞬間、きっと忘れない。

 青空なんて、大嫌いだった。人々は青空を見ると嬉しそうに笑い幸せそうに見える。だけど、私はちっとも幸せだなんて思わない。むしろ、憎いとさえ思う。少し前まで憂鬱になるだけの雨が今は恋しい。私と貴方を繋ぐ接点は『雨』だけのような気がする。


 ―――ずっと、一緒にいよう。


 今まで手に入れられなかった幸せを掴めると思った。


 ―――あんたなんて出て行ってちょうだい!これ以上、この家に近づかないで!!


 何がいけないの?ただ単純に幸せを望んでは駄目なの?


 ―――ゆっくりでいい。もう一度、探してみなよ。


 手を差し伸べてくれた貴方は、どこか私に似ていた。似た過去を背負い醜い世の中に幻滅していた。幸せにこだわるばかりに全てを見落としてきた私たち。


 現実は、とても残酷なものでした・・・。