偽りの心と愛されたい気持ち

作者ゆりね

「美咲。愛してるよ」
「私も好き…」

そういうと彼は私を強く抱きしめる。

でも知っていた。
彼は私を見ていない。

ホストと身体を売った女の両片思い。



ただあなたに愛されたかっただけ。

ただ隣に居て欲しかっただけ。

そのためだけに私は身体を売った。

永遠なんて求めない。

私が飽きるまででいいから離れないで。



「愛してる。お前しかいないよ」

ベッドの上で何度も囁かれた。

何度も何度も愛し合った。



純粋な恋心だったのに、気付けば汚い何かに変わっていた。

それは恋をした相手がホストだったから。






ーーーだけど、彼も自分が分からなかった。



ホストとして誰かのものになっていいのか。

お客様全員が恋人で、大切だから、一人の女性を愛してることに気がつけなかった。



最大級の両片思い。