神威乃国妖怪奇譚<カムイノコクヨウカイキタン>・一部(完)

作者バク



人と妖狐。そして心通わす妖怪たちと暮らす日々。

それはどこか暖かく優しい。

ここ神威乃国は神の力(神格)を持つ高位の人々が住まう場所。

それは人だけにあらず。人々が恐れおののく大妖怪さえも頭(こうべ)を下げる。みな心からの終息を求めこの地を訪れる。


その中心に位置する場所に久遠家という、古くからこの地を守りし人々が住んでいた。その者たちは“いのりて”と言われその力でこの地に結界を張り清浄な空気を保っていた。


その久遠家に母に会える日を信じ、妖怪を封印し続ける少女。

名を久遠真白(くおんましろ)。


そんな真白を守る化野要(あだしのかなめ)。実は要の正体は妖狐だった。人と妖狐の恋愛を中心に封印された妖怪たちと暮らす日々はどこか暖かく優しい。