流星
過去を乗り越えて・・・
出会いから恋心を抱くまでは順調にいっていましたが、そこで「過去の傷」という障害にぶつかります。
その時二人は若すぎて、傷を分かち合うことができずに別れの道を・・・。
やがて音大で二人は再会しますが、すでに陽一は友達の彼氏だった・・・。
それを目の当たりにして初めて、潮音は忘れがたき恋心を思い知らされますが、友人を苦しませたくなくて最初は自制するものの、やがて気持ちを抑えきれなくなり・・・。
結局は友人を傷付け、失ってしまう結果となります。
端的に言えば友人の彼氏を「奪った」のですから、書き方によってはドロドロした展開になりかねない内容なのですが、これまた綺麗に描かれています。
そして、彼氏を「奪われた」友人の方も最後は次の幸せを見つけて新しい出発を果たしているので、やはり読後感がさわやかです。
現実社会においては、みんなが不幸になるような恋愛トラブルを頻繁に目にしますが、小説はやはり読んだあと幸せな気分になり、こちらも嬉しい気持ちになるほうが良いですね。