恋の行方 ~Spindle Of Love~

作者Louis Endo

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眠らない夜が訪れ

餓えた人々は

今宵もまた

垂れ流される

闇色の誘惑に

身を委ねてゆく


――ペニシリンクラブ


地上の騒音から

隔離された

いつもの地下フロア

その最奥

赤く湿った

いつものソファー

飽きることなく

いつものオーダー


タバコに火を点け

バーボンのロックを

一口流し込むと

彼は

ソファーに身体を沈め

静かに目を閉じた


空間に放たれた

音の屍が

彼の聴覚を

抉じ開ける……

少しの間

彼は

その音の欠片の中に

躰を預けた――