理不尽を、救いの手を。

作者茉遊那

事件に捕らわれた被害者と加害者。理不尽なこの世界で出会った彼と彼女。お願いだ。届け、届いてくれ。────彼女が死ぬ前に



「私なんかと仲良くしたら、先輩、嫌われますよ?」



儚げに笑う君のそれに、俺はなぜ気付いてやれなかったんだろう。



「最っ低だな。」



笑顔の裏に、どんなに暗くて、どす黒くて、理不尽な悲劇があったのかを。







カウントダウンは、もう始まっていた。



お願いだ。

届け。

届いてくれ。









彼女がぬ前に。