星影とと
選び取る、行く末を。
バーカウンターで繰り広げられる悩める大人の黙示録。ホラーというより、ダークファンタジー寄りでしょうか?
見知らぬ場所にたどり着いたストレイシープ、三種類のドリンクの中から一つを選ぶ。飲み干した先にあるものは果たして――?
短編連作三話を簡潔に纏めて、その後でそれぞれが繋がりあう構成は綺麗に流れていて秀逸だと思いました。
また、連作三話の内、ドリンクの選び方もリズムがあって読み手をダレさせません。そして、その「ドリンク」の謎が明かされるとき、物語は読み手の中に、「なるほど」とストンと落ちてきます。
メインキャラ三人の容姿や見知らぬ場所の描写が少なめですが、そんなもの必要ないくらいキャラの台詞が個性豊かです。そして、ラストまで読んだら場所の位置づけが分かって、あやふや感が余計にしっくりきます。
あたしとテンちゃんダテちゃんの365日の内の、また違った一日を、いつかまた覗いてみたいと思いました。