消しゴムパレット

作者貴水悠詩

雪が降る夜道。

「ただいま」

背中から聞こえた声に振り返ると、

そこに立っていたのは―――

忘れていた時間が、

ゆっくりと、動き出していく。



「いらっしゃいませー」


バイト先に突然現れた、久々に会う男の子。


「俺、もう"あの頃"と違うから」


幼さが残ってない、私が知らない幼馴染み。


「こいつ、泣かせないでくれますか」


同じ学校の男友達が、急に―――