カミングアウト！【完】

心菜りず

2014年8月1日

微笑ましい、不器用な一つの恋 『唇に、熱。』を読んでからすぐ『カミングアウト！』に手をつけたわたしは、真っ先に日和ちゃんに反応しました！ 何となく、嬉しいような、ホッとしたような。 そんな感情を持てたので、そのまま続きを読むことにしました。 まず、月ちゃんの不器用さ。 〝―――付き合ってあげるけど、どうする？」〟こんなに不器用で堪らなく可愛いセリフを吐くようなところが、裕志の心を燻るんだろうなと。 読み手の私も、ほのぼのとした表情で読んでしまう程でした。 そして裕志も実は月ちゃんと並ぶくらい不器用。 月ちゃんが大切で、その気持ちはありのまま伝わってくるが、大切だからこそ不器用な形で彼女を守ることしか出来ない。 この不器用なふたりが、不器用なりにぶつかってくっついて、そんな光景が温かくも思えました。 最後に、あの一文。 締める言葉はあれしかないと思うし、あの一文があるからこそタイトルや中身が生きるとも思いました。 あの一文に詰まった沢山の想いやメッセージが、この作品を綺麗に飾ったのだと。 私は、そう感じます。

可愛い 表紙と題名を見て「ダメ男の話か」 と思いましたが、いい意味で裏切ら れました。 実際ダメ男だと思いますが、ちゃん と月ちゃんのことを大切に想ってい たり、それがゆえのダメ男な行動を していてなんだか女の私でも納得で きました。 犬と飼い主みたいな２人の性格が とっても好きです！ 月ちゃんのさっぱりしたところがツ ボです(´∀`) ちょっと気になったのは、会話文の 書き方です。 「」の中での分の終わりには“。“が いらないのではないかなーと思いま した。 でも、あっても違和感ありませんの で作者様のこのみですね(^-^) とても、面白くてスラスラと読めま した！ 素敵な作品ありがとうございまし た！！

カミングアウト！ 突然のカミングアウトから始まる物語の 流れは勿論、行間など表記の問題も特に なく、非常に読みやすかったです。 １ページの文字数こそ若干少ないようで すが、バランスが良いのでそのままでも 良いようにも思います。 一つだけ気になったのは、あとがき前の 最後の章です。１ページ目は女の子視点 ですが、２ページ目はどちらの視点とも とれないような書かれ方ですね。２ペー ジ目のような書き方は効果的だと思いま すが、たった１ページでそこが切り替わ ると意味はわかっても違和感がありま す。１ページ目も同じように二人ともの 視点から書かれてはいかがでしょうか。 主人公二人の後日談はもちろん、他の登 場人物のお話も読みたいですね。楽しみ にしております。