月森ゆら
見たいのは、手元できらめく線香花火。
『見たいのは、高く高く上がる打ち上げ花火じゃなくて、手元できらめく線香花火』
作中で一番印象に残ったセリフです。
30歳(実際には29歳)を目前にした主人公の焦りや不安がリアルに伝わり、非常に共感出来ました。
確かにこの年頃って複雑なんですよね。
『まだ30歳』『もう30歳』そうした価値観を抜きにしても『結婚』という2文字を前にすると思う事は多々あるかと思われます。
この物語の主人公はその複雑な年頃をもって焦り、交際中の彼と一悶着。
けれどそこで思い出す事、そして改めて感じる大切なものに気付きます。
暖かくて、さりげなく深いお話でした。
大人のリアルという感じで思わず唸りました(笑)
物凄く個人的な印象だけど、この題材で『線香花火』を持ってくるところも意外性を感じました。
素敵な作品、ありがとうございました☆