彼氏が自殺したあの日、灯里は冬馬に出会った。冬馬と話していくうち、灯里は冬馬に惹かれていく ―――。
『 冬馬!?冬馬!?お願い、生きて!』
そう叫んだ、あの日を今でも鮮明に覚えている。
あの日は確か、冬馬が生まれた冬だった。
しとしと雪が降っていて、とても穏やかな雪の日だった。
ピーッ
そう鳴った機材の画面には、
"0"と写っていた。
むなしく病室に響いた音、
その部屋の空気、
冬馬の優しく微笑んだ顔。
あの日のことは、一生忘れない ―――。