ノートを破った切れ端に、
『好きだ』
って書いてあった。
私がそれを読んで、顔を上げた時には、
もう彼は教室を出ていた。
私は単純なのかもしれない。
それとも、ただの阿呆だったのかもしれない。
私は、彼を好きになった。
「私、待ってるから!1年後も、気持ち変わんないで待ってるから!」
そう叫んだあの時。
私は初めて感じた恋心に、
トキメキよりも、
切なさを感じた。
まだまだ幼かった私には、
複雑な思いが張り裂けそうで、
どうしたら良いのかわからなかった。
彼は振り返らずに、
ひらりと1つ、
手を振った。