星に願いを… *。 .*☆Tu es tout pour moi☆*. 。*

作者あやか

生きる意味を失った癒愛。永眠しようとするが、一人の少年との出会いに運命が動き出す。「俺になら何されてもいいって言えよ。」そいつは姿を消した有名なドS総長で…!?

重苦しい雲に覆われる朧月の日。

今宵、私は、永遠の眠りに付く。

規則正しく刻む、私の針を逆らって止めてね。




冷たい風が頬をかすめるのを聞きながら。

用意されたキレイなドレスや、靴を脱ぎ捨てて

富も地位も何もかも捨て、

始まりのリンゴを一口かじれば、

終わりを告げる鐘が鳴る。




私は今、この汚れた夜空に真っ黒なツバサを

広げる。私の流れる時にピリオドを打つ、

はずだったんだ。






「は? 悲劇のヒロイン気取りかよ。」


「お前、俺と同じ瞳をしてる。…うぜぇ。」


「何をするのも面倒なんだよね。

今でさえ?お前と話してるのでも

面倒だと思ってるし?」





一人の少年との出会いに歯車が狂っていくー…。





「面倒って言われてショック受けてんの?

何だかんだ可愛いとこ、あるんじゃん。」


「ヤベ…油断した。お前には全然 余裕ねぇかモ。」


「俺には何されてもいいって言えよ。」




やくざだろうが、暴走族だろうが、

暴力団だろうが関係なし。


相手が誰だろうが売られた喧嘩は全て買う。


何百人ものの人を従えさせ、

狼の群れを率いるNo.1。


ある日を境に突然姿を消した、

錆びれた夜の街を見下す喧嘩好きの一匹狼。


篠崎 優璃哉 (しのざき ゆりや)



×






「は?低レベルが話しかけんな。」


「気取ってないんですケド?は?」


「んへ!? 何 言ってんだバカッ 」


「今すぐ私を抱きしめて‼

めちゃくちゃ愛してよっっ」


信じられるのは自分だけ。

家族も友達も何もかも捨てた結果

残ったのは空っぽな自分だけだった。

生きる意味を失い感情を失った操り人形。


藍川 癒愛 (あいかわ ゆあ)






最悪な出会いに運命が動き出す‼






一縷(いちる)の望みだった未来でさえ捨て、

眠ろうと羽根を広げたのに。

顔を上げれば広がる世界が。

途端に色を付け始めた。




ぼやける瞳の奥に揺らめいて見えたのは、

黒でもなく深い青を背にする

意地悪な太陽のようなキミでした。





繰り返され絡み合う運命を、

あなたは信じますかー…?

答えはYes か Noか。

全ては 自分次第。




















「知ってるか?狼って生涯たった1匹の


メスと、共にするらしいぜ。


だから…お前が最初で最後の“つがい”だ。」







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※ Tu es tout pour moi とは、


フランス語で“キミは俺の全てだ”と言う意味。