四天王のトップ、コードネーム snow white、
通り名 桜龍。
夜の世界で、この名前を知らないモノはいない。
その子は黒髪のロングヘアーに赤い瞳をした、
見るモノを惹き付ける女の子。
その強さは本物で、恐れられていた。
大好きな仲間、失いたくない人、譲れない想いに
奮い立たせ、自分が守ると1度決めたモノは
何が何でも守りとおす。
自分の感じた直感を頼りに、正しいと感じたなら
最後まで自分の意志を貫た。
圧倒的な強さと、知的な頭脳に、甘いマスク。
彼女に惚れるモノは少なくなかった。
彼女に憧れて ただの不良を止め、
友のため、大切な人のために立ち上がる、
そんな人が増えたのも事実だ。
女の子でありながら、ましてや幼くして頂点に立ち、
親の期待通りに継ぎ、
全てが安定していく予定だった。
だケド、
誇りを持ち気高く舞う少女は、
ある日を境に翼を失った。
ー 紅桜の桜龍 ー
誇りだった名前が恐ろしいモノへと変わった。
ただ、守りたかっただけだったのに。
私の強さが自滅をもたらした。
私の弱さが狂わせた。
血の匂いに煽られ我を見失って暴走する私。
止められるモノは自分しかいないのに。
完全にコントロール出来ないほどに、
怒りに身を委ねて。
あの日の夜、全てを失ったんだ。
自分の存在を消すため、別の街に来た私。
そこで出会った妖艶な少年は覇王と言う
暴走族の総長だった。
自分と同じ瞳の色に、意志に、惹かれながら
入った覇王の領域。
そこには自分が失ったモノが全て揃っていた。
真っ直ぐな視線の先に、何が待っているのか。
私も見てみたいと思ったんだ。
その光を越えた眩く輝く蒼い世界を。
あなたは、自分の弱さも全て抱えて
強く生きていくコトが出来ますか?