君を抱いて、夢を見る。

作者百鬼目

君の匂いがする布団を抱いて、君の夢を見る。君はもう私の側にいないのに、君の物は全て片付けたのに、君の匂いが消えない、消えてくれない…。










いつだって、別れは突然で。


本当に、どうしようもない程、どうしょうもない。






激しく焦がれるような恋じゃなかった。


だけど、君じゃないとダメだった。





そばに、いて欲しかった。


ずっと、死ぬまで、私のそばに。





当たり前が当たり前じゃ無いと気付くのは。


大切な存在に気付くのは。



どうして、無くした後なんだろう…?




どうしょうもない、どうしょうもないのに。


君の匂いが消えない。


君の全てを片付けたのに、匂いが消えないんだ。