愛されない少女たちに、愛を

作者Riea

あたしは、田中まりあ。ありふれた苗字と、キリストとは何の縁もない名前を持つ十四歳。毎日ただ、死にたかった。でも、あたしが死ぬなら田中さくらが死ねばいいと思った。

あたしは、田中まりあ。



日本で五本の指に入るだろう人口の多い苗字と、イエス・キリストに何の縁もない両親が付けた名前を持つ十四歳、中学三年生。


名前負けの平凡な顔と平凡な成績で平凡な人生を十四年間生きてきた。


なので、あたしは毎日毎日死にたかった。



ただ、あたしが死ぬなら同じ苗字の田中さくらが死ねばいいと思った。

美人で頭の良い田中さくらが死ねばいいと思った。