世界があした終わるとしたら、
なんて耳慣れた言葉。
テレビ番組でも、映画でも、
小説でも、漫画でも、
どこにでも溢れていて、
軽々しく人の涙を誘うような
チープな言葉。
ひねくれてしまった私には、
何かが「終わる」なんて実感は
すこしもなかった。
中学3年生の卒業式。
その日は私に小さな“違和感”を残して
通り過ぎていった。
まだ名前のない気持ちが心にある。
すこしの休みを経て明日から、
高校生活が始まる。
全てを知った風な私は、
まだ何も知らない。
「世界があした終わるとしたら」