NOEL

復讐に生きる少女と、ヤクザに嫌悪を感じる若頭の葛藤と恋愛
第一に「復讐のため若に近づく」「ヤクザに嫌悪を抱く若」というストーリー設定には「凄い」の一言しかない。


また「復讐」というシリアス感漂う中で、ストーリーが重苦しくなると、ここぞとばかりに恋愛モードの絡みが入り、甘くドキドキするような束の間に心を落ち着けられる。

更に、少しずつ絡む事で、実佳の心境のぐらつきや変わり方が、ゆっくりと不安定に変わり、「復讐」と「恋」の狭間で思い止まる様は丁寧に描かれており

読み手を置いていかない情景描写に、ただただ脱帽だ。

しかし、シリアスや臨場感を追うが余り、ストーリー序盤の実佳の日記に、「綴る」や「滅ぶ」等と常用的ではない言葉を普通に遣うのは違和感を覚えた。

他の面では、かなり優れた名作とも言えるので、そんな小さな部分に失望の念。

しかし今流行りの不良・ヤクザに近いものを感じつつ、ただ真っ直ぐに自らのストーリーを作り上げ、他に見たこともない小説。

またか、と思っても一ページ読んだらハマる。

ぜひ目を通し、勇ましく、凛々しくも弱さを持つ少女と一緒になって、崎浜組を見て欲しい。