『リィン、好きだ…愛してはやれねぇけど、な』
うそだ。そう言ってお前は俺の前に立ちはだかったじゃないか。
『なんだぁ、リィン?そんなにショックだったかぁ?オレが…テロリストのリーダーだってことが』
学園祭の終わりに、クロウはどこか寂しそうな、何かを悲観するような顔をしていた。
『足りねぇ…リィン…』
そう言ってクロウは俺にキスをした。触れあった肌と肌。熱情は確かに俺だけのものだった。
『オレを憎め…したら、楽になるわ』
そんなこと、思ってないくせに。俺がクロウを憎む事はない…それはクロウにはよく分かってる筈だろう?
……。
紅の居城に向かう前夜、リィンは夢見の悪さに目を醒ました。
「……ッ、嫌な夢だ…眠れそうにないな…甲板に出てみようか…」