薔薇【完】

作者みつき

あなたの前では私も紅い薔薇ではなくて白く咲くことができたのに───白は枯れ赤黒くどす黒くなっていく薔薇は爛漫に咲き乱れる。掉尾の勇を振るいましょうか






私は姫には絶対にならない



たった六人の高校生が二年八ヶ月前に結成しわずか一年半で東のトップへ登り詰めたチームがある。


───昼の街では彼らの話題が行き交い

__夜の街では彼らの情報を探し回る




王の隣で常に咲き誇るのは薫り立 つ薔薇


民を魅了し愛慕の視線をただ受ける薔薇


女が認め讃えあげる憧憬の薔薇


王を囲う五人の大臣が真実を見せる薔薇




「何この贈答品。この前配下にしたチームの総長から?え、私に?」


「うわ、あのハイヒールで踏みつけて罵った奴じゃん。Mに目覚めちゃったの?」


「我らが女王様は流石SMプレイもお手の物ですか...っいってええぇぇぇ!!!」



しかし王がその胸に挿したのは

小さく道端に咲いたかすみ草だった



 


望まずとも全てを手に入れる純粋な薔薇に神様は眉をしかめたのでしょうか。