孤独な帝王の想い人

作者泡沫

実の姉に全て奪われ続けてきた私には、もう生きる意味すらわからなくなって居た。ただ、毎日をぼんやりと過ごす。そんな毎日を変えてくれたのは…。





夜の街は、眠らない街。


そこに集う人達は、みんな…眠らない。


ただ、愛されたい、それだけなのに。


どうしても、その願いは叶わない。


「……その願い、叶えてやろうか?」


そう言って、こちらを真っ直ぐ見つめる瞳に囚われた。


嗚呼、どうして?


一瞬にして、恋に落ちる。


無知だった私と、孤独な帝王が交わる時絡まった歯車が音をたて回り出した。