走り続けていた。
止まることはできなかった。
走って走って走って走って走って、
また走った。
走って走って走って走って走って、
誤魔化して抑え込んで騙して走り続けて
どれが自分かわからなくなった。
息苦しくて疲れてしまって自嘲して
そんな時、皇帝と呼ばれる譲羽が出会ったのは…
「独りになんてさせはしない。
俺が共に生きてやる。
お前が死ぬときは一緒に死んでやる。
俺が死ぬときはお前を殺して死んでやる。
俺の隣をお前にくれてやる。」
全てを黒く染めてしまう龍だった。
「うるさいっうるさいうるさいうるさいっ!!
私は独りで走ってきた。これからも変わらない。」
皇帝と呼ばれる譲羽を黒き龍は捕らえて離さない
鬼龍と呼ばれるヤクザと皇帝と呼ばれる訳有りの
恋の物語。