テゾロ

視覚と聴覚が刺激されました
モカさんの小説の世界観はどれを見ても不思議な引力のようなものがある気がします。
小さな心情の変化が決して押し付けがましくなく、それでもしっかりと読み手側に染み込んで来ます。
この小説では特に嗅覚に働き掛けてくるような、まるで草太郎と佐乃の物語に自分が入り込んだような錯覚すら感じました。
ケータイ小説はキャラの個性が強く、背景は軽視される傾向がありますが、魅力的な世界の中で登場人物がしっかり「息」をしている、そんな作品だと思います。
個人的にはモカさんの小説の中でも特に世界観の素敵な作品だと感じました。