決まって春になるとわたしの前に現れる"ハル"という謎の少年。彼は一体、何者? これは自分の運命に翻弄される少年のある春の物語。

名前を聞けば、

「まだない」

だなんて猫のようなことを言うし、


年齢を尋ねれば、

「数えてない」

だなんて三十路を過ぎた女性のようなことを言うし、


家族構成を聞けば、

「人類みな兄弟」と大真面目な顔で答える。






春にしか会えないあの人



いつだって遠くを見つめて、


いつも何かを考え込んでるあの人








春に、わたしは彼を待つ。





如月かの*なむる

本当にありがとうございました。




※この物語はフィクションです。