今の状況が分からない程馬鹿じゃないけど「……え?」動揺くらいはさせてくれ。近そうで遠い、遠そうで近い、もどかしい二人の距離。『俺恋シリーズ ~another story~』







初めて言葉を交わしたのがいつだとか

初めて姿をこの目に映したのがいつだとか

そういうのはあまり覚えてない




ただ、初めて心臓が高鳴ったのは





「要……って呼んでいいの?」





不思議そうに首を傾げながら

だけどしっかりと

俺の名前を呼んだ瞬間











「半分にしましょうか」

鋭いくせして天然な少女



「……じゃあ俺が頼んだのも半分あげるわ」

一途で不器用な不良少年




近そうで遠い

遠そうで近い

なんとも言えない微妙な距離の二人

そんな二人を日々目にする周りの人々曰く



「お前らさっさとくっつけ」



だそうな。