月に恋した娼婦

作者憂衣




デリヘル嬢と出張ホスト。



「―――みんなきっと、寂しいんだよ本当は。だから俺たちは身体を売ってるんじゃない?偽物でも紛い物でも、誰かと繋がっていたいから」



ゆるり、しとやかな笑み。


この美しい顔の男に身を委ねてしまいそうになる。


けれど。私は思いとどまる。


あの日に全てを諦めたんだ。もう過ちは繰り返さない。今、あるものを失いたくない。何も求めはしないから。








これは、どこにでもよくある話。

ドラマの中、漫画の中、探せばいくらでもあるような、ありふれた安っぽいはなし。ヒトとヒトの、アイのハナシ。



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150118