天美 泉

短く悲しい人生
紡歌、縁歌、鎖歌の順で読ませていただきました。

前の2つと大きく違うのは、未練を残しこの世に留まった霊が、天に還れなかったことですね。

キズナの努力もむなしく、愛しい人を手にかけてしまった少女。
15年という短い人生で、愛を掴むことができなかった少女。

親の愛、恋人の愛、どれもが偽りだったと気付き、とうとう怨みが爆発してしまったわけですが
本当にそれらは偽りだったのでしょうか?
娘を失った両親が、少しでも悲しんだかもしれない。
金ヅルなどと言いつつも、自分を愛してくれた少女の死に俊くんだって涙したかもしれない。

もし僅かでも少女に向けられた愛があったなら、哀しく幕を閉じた魂に教えてあげたかったです。