きみは、わたしの名前を呼んではくれない。

作者春瀬るき

付き合っているはずなのに、絶対にわたしの名前を呼んでくれないきみ。 ーーその理由は何ですか?



「ねえ、」



きみは、絶対に

わたしの名前を呼んではくれない。




「なあに、コウくん」



だからわたしがそれに応えるとき、


ほんの少しの嫌味と対抗心を込めて、

必ずきみの名前を呼んでいること。



きみは、気づいているのだろうか。





(たとえ気づいていなかったとしても)