うのたろう
少女漫画の王道的ストーリー
作者の意図だろう。
ティーンの女の子が好きな設定がもりだくさんだ。
王子様×俺様ヒーロー×お姫様
これはこの作品の表紙に書かれているフレーズ。
主人公・祐希は高校生。
おさななじみの王子・涼と俺様ヒーロー・健に想われている(もっとも祐希はふたりの気持ちに気づいていない)。
祐希の一人称で語られるストーリーはそんな三人を中心とした恋愛ベースの日常だ。
このあたりのはこびも王道の少女漫画を踏襲している。
まずはプロローグ。
五歳のころの三人。
涼は祐希に告白する。
が。これは三人が遊ぶ「ごっこ」のなかの話であり……
そんな昔の思い出を背景に進められていくストーリーは、やはり女の子たちの心をきゅんとさせる。
前述の三人を中心とした個性ゆたかなキャラクター。
各々が各々の役割を果たし、きちんと成り立っている。
わかりやすいキャラクターのつくりは王道だが、やはりよい。
また文章力もあるので物語の展開もスムーズに読み手の頭にはいってくる。
恋愛もののケータイ小説を読みたい人にはうってつけの作品かもしれない。