うのたろう
リアルな高校生の「めんどくせー」関係
物語としての構成はシンプルだ。
主人公・亜衣とおさななじみの雅史。
ふたりの関係は雅史ふうにいえば「めんどくせー」。
彼氏彼女でもなければ、××××フレンドでもない。
年がら年じゅう亜衣の家に泊まりにくる雅史は、亜衣が眠ったころあいを見計らい、恋人どうしがするようないたずらをする。
亜衣は雅史に対し10年の恋心を秘めている。
いたずらは、もっとしてほしい。
けれど。
本当は心も雅史のものになりたい。
それゆえ、寝たふりをして雅史のいたずらを複雑な気持ちで受けいれている。
官能的なワードだが、物語は純愛に近いほど甘酸っぱい。
恋のどきどきとシーンのどきどきが、ごっちゃに混ざったような感覚を読んでいるあいだじゅう刺激としてあたえられる。
恋に性にと過不足なく、高校生のリアルがみごとに描かれた作品だった。
こういう「めんどくせー関係」けっこうわかったりする人もおおいのではないだろうか。
おすすめだ。