忘れることが怖いなんて、知らなかった。
99万9999回目の人生。
今回の俺は最愛の人に
こっぴどく振られた。
それは、きっと一生忘れられない。
――君は言ったよね。
どうせ君も最後は忘れちゃうよって。
でも、それならその時まで
俺は絶対に君を忘れないから。
だからさ、もう一度
君を探しに行くよ。
黒髪の君が発した
最後の言葉を抱きながら。
『―お願いだからもう一生、会いに来ないで。』