むかし、むかしのおはなしです。
あるところに
ドラゴンの国と、水晶の国がありました。
ドラゴンの国には気高い騎士が、
水晶の国には慈悲深い姫がおりました。
ドラゴンの国と水晶の国は
おたがい、おたがいを必要とし、
ドラゴンの国は
水晶の国の水晶のちからと、
姫の祈りによって
ゆたかに、ゆたかにその国を繁栄させ、
また、水晶の国は
ドラゴンの国の騎士によって
かたく、かたくまもられていたのです。
ところが、戦によって
祈りのちからを
ある民族にとじこめられた水晶の国の姫は、
ドラゴンの国のために祈ることができなくなりました。
ドラゴンの国は、水晶のちからと
水晶の姫の祈りをうしない、
いつしかほろびていったのです
これはこの水晶の国につたわる、
おとぎばなしのひとつー