がきあみ ―閻魔大王がわたしたちに運命のいたずらをした―

作者くまの広珠

「香蘭(からん)ちゃん、好きだよ。ぼくが救ってあげられたらいいのに……」

クラスメイトの宝(たから)君は、告白してくれた直後に、わたしの前から姿を消した。
「有若宝(ありわかたから)なんてヤツ、知らねぇし」
誰も宝君を、覚えていない。

そして、土車に乗ったミイラがあらわれた……。


◆◇◆◇…

香蘭からんちゃん、好きだよ。ぼくが救ってあげられたらいいのに……」


クラスメイトのたから君は、告白してくれた直後に、わたしの前から姿を消した。

有若宝ありわかたからなんてヤツ、知らねぇし」

誰も宝君を、覚えていない。


そして、土車に乗ったミイラがあらわれた……。



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小栗判官おぐりはんがん』をご存知ですか?

説経節としても有名な、紀州、熊野古道にまつわる伝説です。

『小栗判官』には色々な筋の話が伝わっていますが、そのひとつをオマージュしてファンタジーをつくりました。

主人公は小学六年生――。




*小学生にも理解できる表現を目指しています。

*話の性質上、実在する地名や史跡が出てきますが、すべてフィクションです。実在の人物、団体、場所とは一切関係ありません。

*他サイトにも投稿しています。