解説
優曇華の花は、竹取物語でかぐや姫が求婚者に無茶振りする『蓬莱の枝』のことです。三千年に一度咲くという、インドの架空の植物だとか。滅多に起きない珍しいことの例えに使われたりします。
『救世の英雄が生まれた等、この上ない慶事に咲く』又は『不幸と悲しみに満ち溢れる場所で咲く』という曰く付きの花です。
本作はこの『優曇華の花』の伝説を基にした、オリジナルのおはなしです。
あらすじ
この世のどこかで『優曇華(うどんげ)』というけったいな名の花が、三千年に一度咲くそうな。『悲劇の起こる場所に咲く』という、大層な曰くが付いている。
ある日ある時、とある山奥の一本杉に住む仙人の元で、この優曇華の精霊が生を享けた。
これは重い定めを背負った精霊の成長と、それを見守る老仙人の物語です。