夏から秋にかけての新月の晩、お山に明かりが三つ灯ったら、それが狐火の市の立つ合図。

 宝物を抱えて、行ってみるといい。不思議なものが手に入るかも知れないよ。

 作法は三つ。狐の面をかぶってゆくこと。提灯を持って歩いてゆくこと。何があっても、喋らないこと。

 泣き顔隠して、行ってごらん。
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