その人は、僕が物心つく頃から、いつも空にいた。 ちょうど昼間の月のように、白くぽっかりと空に浮かんでいる。少し寂しそうに見えるのも、昼の月似ている気がする。 僕はその人のことを『空のお姉さん』と呼んでいた。