捨てられた僕達は生きることに不器用だった。僕を殺しにきたはずの君は僕を守り続ける。世界の終わりで、僕達は。—―愛情とも友情ともつかない、彼と彼の物語。
生まれてすぐに捨てられた僕。
生まれてすぐに捨てられた君。
僕らが育った児童養護施設。
布教活動を拡大し続ける宗教団体。
若者を中心に広がるドラッグ中毒者。
思考を停止した子供達。
人間じゃなくなったあの日。
今度はきっと、僕達が捨てる番なんだ。