叶わなかった明日のために

作者二宮銀次朗

捨てられた僕達は生きることに不器用だった。僕を殺しにきたはずの君は僕を守り続ける。世界の終わりで、僕達は。—―愛情とも友情ともつかない、彼と彼の物語。






生まれてすぐに捨てられた僕。




生まれてすぐに捨てられた君。










僕らが育った児童養護施設。



布教活動を拡大し続ける宗教団体。



若者を中心に広がるドラッグ中毒者。



思考を停止した子供達。



人間じゃなくなったあの日。










生まれてすぐに捨てられた君。




生まれてすぐに捨てられた僕。






今度はきっと、僕達が捨てる番なんだ。