Lilas
切なくて美しい現代版源氏物語
気立てが良く、絶世の美女で帝から最上級の寵愛を受け、嫉妬から正妻や愛人からイジメられて、弱った果てに亡くなった桐壷の更衣。愛人を母に持つこれまた絶世の美男子で何をしても完璧だけど女性関係はだらしない光源氏。光源氏の母である桐壷の更衣や育ての母である藤壺にどことなく似てたため光源氏がそばに置いて育てた若紫。この人間関係がうまく現代にリンクしていて言葉の表現をひとつひとつとっても美しい作品だと思いました。紫花ちゃんがトランクに入らなかった靴を片方わざと置いて行くシーンでのシンデレラの例とかも、本当にそうだなぁと思いました。とにかく最後まで美しくて切なくて登場人物全員が色々あるけどでも応援したくなるようなキャラクターで、こんなにも綺麗だなと思った作品は初めてでした。