理香
透明でさわやかな風
美佳(みか)とヨウタの繊細な心理描写が、切ないけれど音楽のように美しく、心が揺さぶられます。
美佳は国籍が違うだけで、不当な扱いを受け、
ヨウタは美佳を連れ出したことで、父親から鉄拳を受ける。
だけど、どんなことがあったとしても、二人の絆は変わらない。
会いたい
一緒にいたい
視線をからませたい
二人の魂は奥深くでつながっているから。
わたしにはそう思えてなりません。
ただ純粋に相手を思い合う二人の気持ちが切なくて
物語の続きが気にかかります。
空の描写
街の情景
二人の心理
筆者独特の透明な文体が
あなたの心に
同じく透明でさわやかな風を
送り込むことと思います。
ぜひ、ご一読下さい。
表紙の幸田 椿さんのイラストも、甘い上品な雰囲気がとても素敵です。
理香