叩きつけられた衝撃で息が止まる…
時が――体が――
壊れた時計のように秒針が行ったり来たり
痙攣している…
凍てつく寒さ以外に感じるものは…
あぁ――なんだったっけ‥
とても大切にしていた筈の言葉‥
心から――記憶から――
僕から――
こぼれ落ちていく…
僕から去った大切なものを…
彼奴は貪り食らう…
僕が失うほど…
彼奴は得る…
僅かに残った息を吐き出す…
眼前暗黒感に飲み込まれていく…
意識を失う瞬間に何か見た気がした…
もう感覚すらなく、
開けることが出来ない瞼を通して…
それは
只ひたすらに
美しく――温かく――
冷えきった体内を……
血管を……
一瞬で巡った
それはまるで……
弱者の崇拝物に溺れていく己の
微かな足掻きに思えた…