鳴かぬ蛍が身を焦がす

作者ジョージ

 失踪した父親によく似た面差しの少女は、母親に歪な関係を強いられていた。
 男装をして理想のオトコとして振る舞う日々を送っていたが、ある日それは終わりを告げる。
 孤独を抱える若頭と出逢い、護衛として仕えるようになる。傷を抱える者同士、心を通わせるが……。

 父さんによく似た容姿を、あの女は狂おしいほどに愛した。


 理想のオトコして望むままに応えてきたつもりだった。


 このまま続くかのように思われた日常は、ある日終わりを告げる事となる。





ーーあんたなんかただの代わりのくせに!





 そう、あの女が言ったから。




 もう何もない。



 自棄やけになって死に場所を求めて彷徨う私が出逢ったのは、哀しい目をした貴方だった。







 オトコとして生きる少女と、孤独を抱える男。


 二人の間に生まれた感情を、愛とは呼べない。けれど恋と呼べるほど純でもない。


 不器用で手探りの、名前を付けられない関係。





*当作品における喫煙・飲酒・暴力表現につきましては、あくまでもフィクションとしてお受け止めいただければ幸いです。


▲更新頻度落ちてて申し訳ない!結末は決まってるので気長にお待ちくださると助かります。応援励みになります!とても嬉しいです。