Teller

黒い滑稽な紳士
譲れないのは、彼がただの「紳士」ではなく「黒い滑稽な紳士」である事。
 一つ間違えればしつこいとも思えるこの反復のこだわりが、逆に作品の雰囲気作りに欠かせない要素になったと思います。

 また、二度読んでやっと本当の味が分かるという。
 黒い滑稽な紳士の正体を知った後で読み返せば、想像できる範囲と深度が増します。

 ファンタジー要素の度合いにおいても、読み易さにおいても、誰もが楽しめる作品だと思いました。