KAZUMI

彼のリアルタイムと自分のリアルタイム
彼の作品には「表現力」という魔術が存在していることが作品を読み終えた後に感じ取ることができます。

それは「作った魔術」ではなく、ありのままの「彼だけの魅力」

「白血病」から始まり、わけのわからない難病と闘っている顔も知らない表現者。

「他人事」のはずなのにいつの間にか「応援」している自分。

妙に共感してみては「本当に彼の気持ちがわかるのか?わかっているふりをしているんじゃないか?」と真剣に自問自答を繰り返している自分が存在している。

「真剣に書いている書き物」だから読む側も「真剣に読んでいる」そんなリアルタイム。

当事者でなければその痛みはわからない。また、当事者でなければその苦しみや葛藤はわからない。

しかし、「共感」は読者にもできる。それは彼の書く意図を読み取れる心の持ち主だけがその特権を知らず知らずに持っているようにも感じられます。

決して傷の舐めあいなんかじゃないこのリアルタイムは読む側に何かを残してくれる作品だと深く感じます。

いつまでも独特の魔術を武器に、書籍化されてたくさんの方の目に触れることを願っています。