栗栖ひよ子
リアルタイムで進行するドキドキ感!
映画の上映前のシーンを、巧みに切り取ったこの作品。
映画が始まるまで、という短い時間を描いたものなのに、
手に取るように伝わってくる、ドキドキ感!
長い期間を追ったラブストーリーよりもドキドキしてしまうのは、
きっと、読み手の速度と、ストーリーの進む速度が同じなため。
ドラマで言うなら、『24』シリーズのようにリアルタイムでストーリーが進行するから、
主人公と自分のシンクロ率がとても高いのです!
作中で、映画の上映が近付くにつれ、読んでいる私のドキドキも、ヒートアップしていきました。
何もなくても、映画の上映前は、期待でワクワク、ドキドキしているもの。
そんな時に、気になる男性にこんなことをされたら……。
これはもう、一種の吊り橋効果ですよね。
映画やドラマとは違い、小説でスピード感を出すのは難しい、と思っていた私の常識を、たった30ページで覆してくれたこの作品。
決して損はしないはず!ぜひご一読を!