うのたろう

正統派純文学作品
シュールな文学作品……とひとことで書いてしまったら、レヴューとしては逃げでしょうか。

はっきりいって、この作品はむずかしいです。

内容が深く、しかも根の部分がおどろくほどに広いです。

ふつうの小説が電信柱なら、この作品は樹木。

しかも、間違いなく大木です。

樹齢何千年という、うんざりするほどの年月を経た、そいう存在。

街に一本絶対的に存在するのに、その樹木に対する思いは、人によって千差万別。

単純な言葉で自分の思いを語るのは、いささか客観性に欠けてしまいます。

登場する女と男。

彼女と彼の雨の日常。

レヴューでの説明としてはこれでじゅうぶんです。

これ以上の言葉はすべて意味をうしないます。

ネタバレなしに一度読んでみて、この小説の見えない部分――根っこの広がりをぜひ体験してみてください。

恋愛の形式をとっていますが恋愛にあらず。

高校の国語の教科書にのるような、おもいっきりの純文学作品です。

最後は雑にしめさせていただきます。

この作品。

すごいです。

まじで。