麻井深雪
幸せを考える
夢を追いかける彼氏の恭太郎を大好きなハルカ。
けれど回りの友達は結婚する年齢になって…。
付き合いの延長線上に結婚を見てしまう、大人恋愛ならではの葛藤を描いています。
最終的に、自分が納得し恭太郎を愛することにプライドを見出し、それを支えに夢を追う彼を待つ。
幸せとは結婚して子供を産むだけじゃないんだと、それぞれの価値観で愛を貫くことこそが幸せなんだと訴えてくる素敵な作品です。
ただ、ページ数制限の関係もあるんでしょうけど、突然外国へ行くことを告げられたハルカの反応が物分りが良すぎる感じがしてしまいました。
特に前作ではステータスの高い男と結婚することに執着していたので、別人のような態度にちょっと違和感がありました。
恭太郎と付きあっていくうちに変わったんでしょうが、そこを描いた作品があればもっとハルカに同調できたかなと思います。
前作が綺麗ごとじゃない大人恋愛を描いていたのに対し、今作は理想を綺麗に描いた作品。
リアルさと綺麗さ、どちらに魅かれるかは読者次第といったところでしょうか。
前作と読み比べてみるのも面白いかもしれません。